日本で最も古い印鑑は、1784年に福岡県の志賀島で発見された『漢倭奴国王』と刻まれた純金製の金印です。
この金印は紀元57年に後漢の光武帝が奴国王の朝貢に対して授与したものと推定されています。
印鑑は、古くは国家政府や地方支配者が公の印として公的文書などに用いたもので、一般の民衆には縁のないものでした。
それが、平安時代や鎌倉時代になると一般の民衆にも浸透していき、個人の印として徐々に普及していくようになったようです。
明治になってから、公の印は法律の規定によってすべて管理・使用されるようになり、個人の印は印鑑登録や印鑑証明などの制度が導入されるようになりました。
このように日本における印鑑の歴史はかなり古いもので、今日でも印鑑を重要視するのはこの長い歴史を考えると当然のことに思われます。
しかし、印鑑の習慣・制度を持つ国は、日本の他に中国のごく一部の地域のみで、欧米諸国をはじめ世界各国では印鑑を押すという習慣はないようです。
そこで、印鑑に代わるものとして使用されているのがサインです。
サインは本人の自筆で署名することです。
筆跡は人によって異なるため、筆跡鑑定をすれば誰がサインしたのか特定でき、そのサインが本人のものであるという信頼度が極めて高いものです。
欧米では、偽造されやすかったり盗まれて勝手に利用される危険性がある印鑑よりも、サインの方が証拠能力が高いとして最も重要視されています。
印鑑文化のない欧米では、法人を設立するような重要な登記申請のときもサインが使用されており、日本における代表印のような効力を持つものとなっています。